トミー・フラナガンとアート・ファーマーといえば筆頭に挙げられるのが名作「アート」。1979年に東京で録音された本作は当時ザ・スーパー・ジャズ・トリオとして活躍していたトミー・フラナガン率いるトリオにアート・ファーマーが加わることで二人が再会することとなった。膨よかなフリューゲル・ホーンと知的で繊細なピアノの組み合わせは、ジャズの醍醐味である豊かな香りに満たされる。
●アート・ファーマー（tp）トミー・フラナガン（p）レジー・ワークマン（b）ジョー・チェンバース（ds）
1979年5月25日録音／1979年リリース

BIG BLUES/ART FARMER & JIM HALL■アート・ファーマーとジム・ホールは非常に相性が良い事で知られる。これまで「コンチェルト」「スウェーデンに愛を込めて」などでその素晴らしさを証明しているが、やはりここでも美しく格調の高い名演が聴ける。選曲も魅力的だが、やはり愁眉は「亡き女王のためのパヴァーヌ」。調和のとれた堂々とした仕上がりは何度も聴きたくなる見事な出来映え。
●アート・ファーマー（tp）ジム・ホール（g）デヴィッド・マシューズ（key）マイク・マイニエリ（vib）マイク・ムーア（b）スティーブ・ガッド（ds）
1978年2月録音／1981年リリース

THE TIME AND THE PLACE/ART FARMER●1966年ニューヨーク、モダン・アート・ミュージアムでのライブ。ハードバップの王道らしくジミー・ヒースとの2管編成が核になり、アルバート・デイリーのピアノがモーダルなテイストを加えたサウンドが、いかにも60年代らしいホットでクールな魅力に溢れている。
●アート・ファーマー（tp）ジミー・ヒース（ts）アルバート・デイリー（p）ウォルター・ブッカー（b）ミッキー・ロッカー（ds）
1967年2月8日録音／1973年リイシュー

グラミー賞で「最優秀ジャズ・ソロ賞」と「最優秀ジャズ・グループ賞」を獲得した後期ビル・エヴァンスの重要作にして名盤。（メーカー・インフォより）
●ビル・エバンス（p）エディ・ゴメス（b）マーティ・モレル（ds）
1971年5月11・12・17・19・20日、6月9日録音／1974年リイシュー

UNDERCURRENT/BILL EVANS & JIM HALL●ピアノとギターのデュオとして有名な作品。本来和声楽器同士の組み合わせは役割が難しそうな気がするが、二人のテクニックは本当に驚異的といえる。どこまでも美しい叙情性の会話が胸を打つ名作。
●ビル・エヴァンス（p）ジム・ホール（g）
1962年5月14日録音／1967年リイシュー

1950年代の米国ジャズ界を彩ったチェット・ベイカーとデューク・ジョーダンが、1979年に北欧で制作した初共演アルバム。ジョーダンの書いた名曲の数々が、繊細かつ優美なトランペットで綴られる。（新譜案内より）
●チェット・ベイカー（tp,vo）デューク・ジョーダン（p）ニールス・ペデルセン（b）ノーマン・フェアリントン（ds）
1976年10月2日録音／1982年リイシュー

SHE WAS TOO GOOD TO ME/CHET BSKER●1974年CTIの名盤として忘れられない1枚。クリード・テイラー、プロデュース、ドン・セベスキー、アレンジによる、一見イージー・リスニング・ジャズ。お馴染みCTIのベスト・メンバーによるゆとりの演奏に軽やかにアドリブとヴォーカルを乗せて行くチェットの、サウンドとしては柔らかく実に心地よい。クールでウォームな「SHE WAS TOO GOOD TO ME」に対して熱くエキサイテイングな「枯葉」。人生の悲しみ苦しみが奥深く滲みそれでいて悲壮感など無く、なんとも穏やかな快演・快唱が心にしみる名盤。
●チェット・ベイカー（tp,vo）ポール・デスモンド（as）ボブ・ジェイムス（el-p）ヒューバート・ロウズ（fl）ロン・カーター（b）ジャック・デジョネット、スティーブ・ガッド（ds）
1974年7・10・11月録音／1982年リイシュー

キース・ジャレットに決定的な影響を与えたピアニスト、ジョン・コーツ・ジュニア。ローカルな拠点での活動から、周りの影響を受けない唯一無二の進化を遂げた味わいが、本作を伝説的名盤として認知されることとなった。滲み出る自然な歌心は多くのミュージッシャンから絶賛を浴びた。CDのリリースもなくアナログの再発も無い貴重な一枚。
●ジョン・コーツ（p）
1977年6月24・30日、7月1日録音／1979年リリース

ジョン・コーツJr.は70年代後半に話題の人となり、その後、忘れ去られた感のある伝説的ピアニスト。ペンシルベニア州の片田舎にあるディア・ヘッド・インというクラブを拠点に活動したローカル・ミュージシャンのため知名度は低いが、キース・ジャレットに影響を与えたともいわれる作風とタッチは独特の味わいがある。1977年録音の本作は日本で最初に発売され、コーツ・ブームの引き金となったアルバムで、「ホエン・イッツ・スリーピー・タイム・ダウン・サウス」以外はすべてオリジナルを演奏しているソロ・ピアノ作品。(CDジャーナルより抜粋)
●ジョン・コーツ（p）
1977年6月24・30日、7月1日録音／1978年リリース

THIS IS HOW I FEEL ABOUT JAZZ/QUINCY JONES■ジャズのあるべき姿を追求し、地位を高めることで大きく貢献した業界のリーダー、クィンシー・ジョーンズ。この作品は彼が23才の時に録音された記念すべき初リーダー・アルバム。振り返るとアート・ファーマー、ハンク・ジョーンズ、ジョー・ワイルダー、フィル・ウッズ、ジーン・クイル、ズート・シムズなど大変な大物メンバーが勢揃いの豪華なビッグ・バンドを率いた知的センス溢れるウェスト・コースト・ジャズ系の親しめるサウンドが魅力。
●クインシー・ジョーンズ（arr）アート・ファーマー（tp）ジミー・クリーブランド（tb）フィル・ウッズ（as）ラッキー・トンプソン（ts）ハンク・ジョーンズ（p）ポール・チェンバース（b）チャーリー・パーシップ（ds）ほか
1956年9月14、19、29日録音／1976年リイシュー

THE QUINTESSENCE/QUINCY JONES●アレンジャーとしてサウンド・クリエイターとしてジャンルを越え音楽をリードするクインシーが上昇志向の時期に大勢の一流ミュージシャンを集めて意欲的に取り組んだ感動の大作。
●アル・デリシー、アーニー・ロイヤル、スヌーキー・ヤング、フレディ・ハバード、ジョー・ニューマン、サド・ジョーンズ（tp）エリック・ディクソン、フランク・ウェス、ジェローム・リチャードソン、オリバー・ネルソン、フィル・ウッズ（sax）ビリー・バイヤーズ、カーティス・フラー、メルバ・リストン、ポール・フォーライズ、ロドニー・レビット、トーマス・ミッチェル（tb）アール・チャプリン、ジェームス・バフィントン、ジュリアス・ワトキンス、レイ・アロンジ（frh）ハリー・フィリップス（tuba）グロリア・アゴスティーニ（harp）パトリシア・ボーン（p）ミルト・ヒントン（b）ビル・イングリッシュ、ジェームス・ジョンソン（ds）
1961年11月29日、12月18・22日録音／リイシュー

何かにつけて小器用でソツのない音商人が増えていくなかで、ギルの音を聴いているとああ職人だなあと思わずイレ込んでしまう。80年のこの傑作ライヴも、その熟達の技の冴えが随所に聴かれる。菊地、ピーターソンらのソロもいい。充ちて足りる90分間。（「CDジャーナル」データベースより）
●ギル・エヴァンス（p,key,arr,cond）菊地雅章、ピート・レヴィン（key）ティム・ランダース（el-b）ビリー・コブハム（ds）アリリオ・リマ（per）アーサー・ブライス（ss）ハミエット・ブルーイット（bs,fl）ジョン・クラーク（flh）ルー・ソロフ、ジョン・ファディス、マービン・ピーターソン（tp）ジョージ・ルイス（tb）デイブ・バージロン（tb,tuba）
1980年2月8・9日録音／1980年リリース

ギル・エヴァンス・オーケストラの「ジミ・ヘンドリックス」作品集。特に「Little Wing」は、ギルのオーケストラで繰り返し演奏される重要なナンバーとなった。ギル・エヴァンスはジミとの共演を希望し、オーケストラのソロイストとして請い、遂に受諾の返事をもらった。そして、共演企画発表会見の一週間前の日、ジミはロンドンで死去した。その後、ギルは実現しなかったジミの作品のオーケストレイションを企図し、精鋭メンバーを集めて1974年に録音されたのが本作だ。(メーカーインフォより)
●ギル・エヴァンス（p,arr）マービン・ピーターソン、ルー・ソロフ(tp)デヴィッド・サンボーン（as）ほか
1974年6月11・12・13日録音／1975年リイシュー

70年代の日本ジャズ・シーンで圧倒的な名声を博した歌姫・笠井紀美子が、ハービー・ハンコックの通称“ヴォコーダー・バンド"と共演した伝説的アルバム。「バタフライ」「処女航海」らハービーの代表曲やスティーヴィー・ワンダー「アズ」等が、これ以上ないほどファンキーに彩られる。世界中のクラブDJをノックアウトし続ける、これぞ金字塔! （メーカーインフォ）
●笠井紀美子（vo）ハービー・ハンコック（clav,vocorder,syn,el-p）ウェブスター・ルイス（p,syn）ベニー・マウピン（ts,ss）ポール・ジャクソン（b）アルフォンゾ・ムザーン（ds）ビル・サマーズ（per）ほか
1979年10月録音／1979年リリース

ハービー・ハンコックとの本格的な初コラボレーションを記録した1978年リリース作品。ジョン・ルシアンの隠れ名曲「ラウンド・アンド・ラウンド」、クインシー・ジョーンズやジョージ・ベンソンもとりあげた「エヴリシング・マスト・チェンジ」、ハービーの名曲「カメレオン」のヴォーカル・ヴァージョンなど、すべてがクライマックスと呼ぶに値する。笠井とハービーは翌年に再共演、あの金字塔『バタフライ』を生む。（メーカーインフォ）
●笠井紀美子（vo）ハービー・ハンコック（syn）シダー・ウォルトン、グレッグ・レヴィアス（el-p）デール・ウォレン（p）デール・ウォレン（vib）デイヴィッド・プルイット、グレッグ・クロケット、グレッグ・ポリー（g）ダリル・ガードナー、ローレンス・エトキン、ウォルター・ファウラー（tp）ピーター・ベルトラン（tb）デイヴィッド・ウェルズ（b-tb）ポール・ジャクソン、ロメオ・ウィリアムズ（b）ケニー・エリオット（ds）アナニアス・チェンバース、ビル・サマーズ、デール・ウォレン（per）メリンダ・ロス、テレサ・アダム（cello）ルース・フリーマン、トーマス・エリオット（viola）バーバラ・リカルディ、エミリー・ヴァン・ヴァルケンバーグ、ロイ・マラン（vln）ほか
1978年5・6月録音／1978年リリース

ジャズ・シンガーとして不動の人気を誇っていた笠井紀美子が、かまやつひろしプロデュースによる『アンブレラ』以来、約5年ぶりに発表した日本語アルバム。山下達郎、筒美京平、矢野顕子等を作家陣に迎え、ジャケット写真は篠山紀信が撮影。日野皓正らジャズメンのプレイもフィーチャーされる。クラブ・シーンで再評価が高まる「ヴァイブレイション」、「やりかけの人生」を収録。（メーカーインフォ）
●鈴木宏昌（arr）笠井紀美子（vo）数原普（tp）羽鳥幸次（tp,flh）山口真文、村岡建（ts,ss）新井英治（tb）鈴木宏昌（key）福井恵子（harp）松木恒秀（g）岡沢章（b）市原康（ds）穴井忠臣（per）大野忠昭グループ（strings）伊集加代子、和田夏代子、尾形道子（b-vo）
1977年7月14・19・24・29日録音／1977年リリース

幻のシグナル・レーベルからリリースされた、2枚のジャズ・ラボラトリー・シリーズ。それぞれ裏面にはミュージック・マイナス・ワン（同じ演奏でホーン楽器のみを削除、カラオケに使用）であったことから片面の価値しかなかった。本作は、その2枚の表面のみを1枚にまとめたもの。ようやく実現したフルスペックの作品として作品価値がより高まった。表面のアルトはジジ・グライス、裏面はフィル・ウッズが担当、リズム・セクションもメンバーが代わり聴き処満載の豪華版となった。
●デューク・ジョーダン、ホール・オーヴァートン（p）ジジ・グライス、フィル・ウッズ（as）オスカー・ペティフォード、テディ・コティック（b）ケニー・クラーク、ニック・スタビュラス（ds）
1955年3月7日、2月8日録音／1981年リイシュー

1940年代から活躍し、多くのセッションに参加しながらも正当な評価を受けることなく、いずれはヨーロッパで大ブレイクすることなったデューク・ジョーダン。本作はデビューとなった初リーダー・アルバム。なんと本国で陽の目を見たのは17年後の1971年。典型的な玄人好みのピアノ・スタイルだけに注目が低かったのだろうが、「ジョードゥ」はじめ、デューク・ジョーダンならではの名演がさりげなく収録されている。
●デューク・ジョーダン（p）ジーン・ラミー（b）リー・エイブラムス（ds）
1954年1月28日録音／1977年リイシュー

新生ケニー・ドリュー・トリオの第2弾は全曲子守唄で踏襲、ケニー・ドリューならではのウォームで癒される世界が展開される。
●ケニー・ドリュー（p）ニールス・ペデルセン（b）エド・シグペン（ds）
1982年3月6日録音／1982年リリース

アルト・サックスの名コンビ、フィル・ウッズ&ジーン・クイルの決定盤というべき一枚。壮絶なバトルや掛け合いから鮮やかなアンサンブルまで、徹底的に息の合ったプレイを展開。尊敬するチャーリー・パーカーの自作「スクラップル・フロム・ジ・アップル」やソニー・ロリンズの代表曲「ドキシー」等、親しみやすい曲ばかりを収録。(新譜案内より)
●フィル・ウッズ、ジーン・クイル（as）ソル・シュリンジャー（bs）デイブ・マッケンナ（p）バディ・ジョーンズ（b）シャドウ・ィルソン（ds）
1957年9月11・26日、10月4・8日録音／1973年リイシュー